ページビューの合計

2011年7月8日金曜日

テレビアニメの現状

 昔(60年代から90年代前半まで)はテレビアニメと言えば夜7時からのゴールデンタイムや平日と土日の4時台から6時台。いわゆる夕方枠での放送が中心でした。自分が独自に調査した所、各民放で製作されたアニメ(短編アニメや深夜アニメは除く)が一番多かった年は日本テレビが1986年の9本。テレビ朝日が1988年の10本。TBSが一番少なく1983年の5本。フジテレビが一番多く1984年の11本です。テレビ東京は90年代になってから勢力を伸ばし始めた為1995年の16本です。





60年代から90年代前半までの各民放のアニメ勢力図はフジテレビ=テレビ東京>テレビ朝日>日本テレビ>TBS。といったところです。

フジテレビは最近では想像できませんが昔はアニメ界のエリートテレビ局でした。鬼太郎・タイムボカンシリーズ・ドラゴンボールなど数々の人気アニメを放送しテレビアニメの雄と言われていたぐらいです。

テレビ朝日は魔女っ子物・一休さん・ドラえもんなどの藤子アニメ・クレヨンしんちゃんなど伝統的にファミリーアニメが強いです。

TBSは最近までアニメに力を入れていなかった。また系列局の毎日放送が制作したまんが日本昔ばなしが伝説的な強さを誇った為そんなに強くはなかったです。

日本テレビはルパン三世・宇宙戦艦ヤマト・アンパンマンなど実績的にはフジ・テレ朝に次ぐ第3位的存在でした。

例外的なのはテレビ東京です。この局は1982年に初の系列局テレビ大阪が開局するまで東京12チャンネルという関東ローカルの局でした。その為キー局扱いされておらず長い間不遇の扱いを受けていました。80年代のヒット作はキャプテン翼・ミンキーモモ・ミスター味っ子などわずかしかなくアニメの本数は多いもののどこか地味な存在でした。

勢力を伸ばし始めたのは90年代になってからです。夕方枠を中心に数々の名作を送り出し1995年にはあの伝説のアニメ新世紀エヴァンゲリオンが生まれました。



製作アニメが一番多かった時代は80年代に集中していますね。考えられる理由としては週刊少年ジャンプの台頭。バブルによる好景気が挙げられます。特に前者はフジテレビが1981年にアラレちゃんをアニメ化してから一気にアニメブームが起こりましたからね。ジャンプ黄金時代と言われた頃です。



しかし、90年代後半に入るとアニメ業界の状況は一変します。バブル崩壊による不況。少子化や子供の塾通い。テレビゲームなど子供の趣味の多様化。それに伴うかつてのメインターゲットだった子供の視聴者の減少。録画機器が普及した事もあってリアルタイムで見なくてもすむようになった事。ジャンプ黄金時代の終焉。インターネットの登場。また時代の変化によるお色気や暴力、光の点滅などによる表現規制が厳しくなった事。中でも1997年12月に起こったあの有名なポケモンショック事件。あれで表現規制が一段と厳しくなりました。詳細はこちら→http://home-aki.cool.ne.jp/soudou01.htm
http://home-aki.cool.ne.jp/pokemon38.htm
・・・などなど数々の悪条件が重なりかつてゴールデンタイムや夕方枠の花形だったアニメ番組は次々と姿を消していきました。ただテレビ東京だけは違います。この局はアニメが主力コンテンツなので今でもゴールデンタイムにアニメを放送しています。



変わって台頭してきたのが深夜11時台~5時台に放映される深夜アニメ。一部の独立放送局をメインに放送されるuhfアニメなどです。これらの作品は視聴率よりもDVDやグッズなど関連商品の売り上げを評価の対象にしている、また規制なども地上波に比べてゆるい為製作がしやすく萌え系アニメなどを中心に急速にその数を伸ばしていきました。

2000年代以降になるとこの傾向はますます顕著になり最近ではHDDレコーダーの普及によって深夜アニメも簡単に録画できるようになりまた、デジタルテレビによる衛星放送のスカパーe2の普及によってuhfアニメもお金さえ払えば独立放送局がない地域でも視聴できるようになりました。本当に便利な世の中になったものです。

90年代後半から2000年代以降で各民放が制作したアニメ(単発・短編作品は除く)が一番多かった年は日本テレビが2004年の7本。テレビ朝日が2005年の13本。TBSが2010年の13本。フジテレビが2003年の12本。テレビ東京が一番多く2004年の47本です。


90年代後半から2000年代にかけては夕方枠もテレビ東京以外はニュース番組の拡大によって絶滅して深夜枠も盛んなTBS・テレ東以外はテレビ朝日が放送トラブルによって撤退してしまった為フジが木曜に2本放送しているのみです。

テレビ東京は1997年のポケットモンスターの放送開始以来フジテレビから民放一のアニメ局の地位を奪いアニメを主力コンテンツとして安定した成績を残しています。

このデータをまとめると2011年現在の各民放のアニメ勢力図はこうなります。

テレビ東京>TBS>フジテレビ>テレビ朝日>日本テレビ

長々と書いてきましたがアニメは昔と比べるとずいぶん増えているんですね。

しかし、もう2度とかつてのようなゴールデンタイムにたくさんアニメが放送されていた時代はやってこないと思うと本当にさびしいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿